◆構造
- 【橋の諸元】
- 【独創的なアーチ構造】
桁の迫り出し(1番から4番)
桁の迫り出し(5番から11番)
棟木によるアーチの完成 - 【橋脚の構造】
江戸時代の橋脚
(昭和25年の流失まで)
昭和の再建以降の橋脚
◆部材
◆建設
【主な部材】-1
2 桁(けた)
アーチをなす主な構造部分を拱肋(きょうろく)といいます。その中でも桁はアーチを構成する最も重要な部材です。半アーチに1番桁から11番桁まで11本あります。
3 楔(くさび)
桁と桁の間に挟み込むことで上部の桁鼻を緩やかに前に傾ける役目をもつます。2番楔から8番楔まで7種類。1番桁の上にあった1番楔は創建当初は存在しましたが、1760年の図面からは消滅しています。1番桁を大きくしたことでその必要がなくなったと思われます。
4 だぼ
桁などを組んだ時、材と材がずれるのを防ぐために取り付ける部材。材が合わさる両面に小さな穴(3.6cm角)を空けて埋め込みます。このだぼには大きな圧力がかかるため硬くて強いカシ材が使用されます。長さは最小で10cm、最大で約30cm、約70cm間隔で取り付けられ、アーチ1橋あたり約1,500個使われています。
5 沓鉄
(くつてつ)
第2、3、4橋の各アーチ桁組の根元を受けています。1番桁から4番桁までが嵌め込まれています。昭和の再建時(1953年完成)に取り付けられた部材(幅22cm、縦181cm、厚25㎜の鉄材)。1箇所あたり19㎜のボルト10本で橋脚上部に固定されています。
創建から昭和の流失までは、橋脚中央に隔石(へだていし)を設けアーチ桁を受けていましたが、橋脚が鉄筋コンクリート構造になったことに伴い沓鉄が考案されました。
6 大棟木
(おおむなぎ)
アーチの中央に設置します。両方から伸びてきた9番桁間に取り付けます。長さは約5.7m。大棟木は石橋で言う「要石(かなめいし)」に例えられ、アーチのシンボル的な存在です。この取り付けでアーチ橋が繋がるため、「棟上げ」に当たります。
アーチ橋の自重や荷重、経年変化等を想定して桁を設計値より高く組み上げるため、少し長めに加工しています。大工の経験が問われる作業です。
7 小棟木(こむなぎ)
大棟木の上の10番桁間に取り付けます。長さは約2mです。
8 懐梁 (ふところばり)
橋脚内に納まり外部からは見えません。2番楔上に直角に取り付けます。