◆構造
- 【橋の諸元】
- 【独創的なアーチ構造】
桁の迫り出し(1番から4番)
桁の迫り出し(5番から11番)
棟木によるアーチの完成 - 【橋脚の構造】
江戸時代の橋脚
(昭和25年の流失まで)
昭和の再建以降の橋脚
◆部材
◆建設
【特別にあしらえた金具】
現在使用している金具(和釘・かすがい等)は、平成の架替時に全て新規に製造したものです。旧橋に使われていたものは、錆などの劣化で再利用は困難でした。また、架替によって微妙な寸法の差が生じることも確実だったためです。
<金具の製造>
和釘・かすがいの製造先は当初、岩国市内で選定が行われましたが、技術的にも数量的にも、困難でした。 そこで、実績のある白鷹幸伯・白鷹興光(愛媛県松山市)の両氏に依頼して製造しました。
<金具の性質>
和釘は、薬師寺西塔再建のときに使用されたSLCM(スーパー・ロー・カーボン・モディファイ)材という鋼材です。和鉄に近くて錆びにくいものにするため、炭素量やマンガン等の濃度低減が施されています。 これは、井垣謙三氏(金属工学・東北大学名誉教授)と白鷹氏、日本鋼管が共同開発した材です。
<和釘・かすがいの種類・数量>
平成の架替で使用した和釘(皆折釘・かいおれくぎ)及び、かすがいの数は29,000本弱です。
「錦帯橋は一本の釘も使わずにできている」と言われることがあります。しかし、現在では、このような表現はしていません。実際にたくさんの釘が使われています。
では、なぜ、釘を使っていないという表現がされたのでしょう?その真相は定かではありません。一説には、アーチ構造の桁を組み上げる工程で、釘を用いることなく、巻金(まきがね)という帯鉄(おびてつ)によって、各部材を束ねて固定しています。これを捉えて、世界的に希な構造を自慢する気持ちも込めて、「釘を一本も使わずに造られた」と、表現したのではないかと思われます。
和釘の数 |
かすがいの数 |