「流れない橋を造りたい」という情熱が生んだ、技術の結晶。

<木材の加工>

橋桁の製作は、以下の手順で実施されていました。同じ形・寸法の部材が多数使われる錦帯橋ならではの工夫がみられます。

1. 構造図を参考に現寸大の図面を描きます。

2. 現寸大の図面から部材1本1本を型取りした型板を製作。
(型板は縮小変形のない木材を使用/現在はヒバ材)

原寸図を基に作られた型板
現寸図を基に作られた型板

3. 型板には、各部材の詳細や橋全体の情報を書き込み、調整します。(錦帯橋には、同じ形・寸法の部材が多数使用されているため、この作業が不可欠でした)

4. 型板を木材に当て墨を打ち、加工します。

型板の調整 型板で形を取り、木材を加工する
型板の調整(昭和の再建時) 型板で形を取り、木材を加工する


〈仮組〉

加工された部材はまず、一旦、地上で仮に組み上げる「仮組(陸組ともいう)」という方法が採用されました(アーチ橋のみ)。この方法は、和小屋組を仮に地上で組む方法と同じです。仮組によって微調整を行い、河川での架橋作業をスムーズに行うために取り入れられたものと考えられています。

再建工事時の仮組
再建工事時の仮組

〈河川での架橋〉

仮組によって調整された部材を使って、いよいよ実際の河川で架橋をします。

アーチ橋の足場設置 助木の取付
アーチ橋の足場設置(昭和の再建時) 助木の取付(昭和の再建時)

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