画質が荒いので、なかなかスライド内容まで
読み取ることはできません。
しかし、錦川と錦帯橋のかかわり方を通して、
人間が自然とどのように向き合うのかという
とてもスケールの大きなお話でした。

動画はこちら↓
http://gallery.inet.city.iwakuni.yamaguchi.jp/vod/vod_play.php?CNTID=5138

 

1月27日に岩国市市民会館小ホールで開催いたしました
世界遺産講演会に150名の方に参加いただきました。
本当にありがとうございました。

今回は平日の17:00からということで、
お仕事をされている方には何とも参加が難しい時間でした。
これは別に意地悪したわけではありません。
今年も昨年に引き続き、
岩国ユネスコ協会の高校生の皆さんに
講演会の運営をお願いするという都合で、
「学校が終わってから」ということで早くできないし、
「夜は、早く家に帰ってほしい」から
というわけだったのです。

講演は、大熊先生の川への愛情に満ち溢れたもので、
難しいところもあったのですが、
「私たちに何かできることはないか」と、
やる気がどんどん湧いてくるような内容でした。

・・・ということで、詳しくは後日配信予定の動画を御覧ください。

ところで、高校生諸君、
錦帯橋について知りたいことがあるのなら、
大概のことは、お手伝いできますよ。

 2008年に1回目の錦帯橋国際シンポジウムを開催した際に、パネリストとして御t登壇いただいたときの先生のコメントです。
 以下、原文のまま掲載します。

 

 私は錦帯橋にその架け替えに関連して1997年からかかわってきたが、いつも錦帯橋とその周辺の美しさに魅了されてきた。
 その美しさの本質は自然との共生にあると考えている。
 確かに、人間にとって自然の川を横断しなければならないという不都合を、架橋という技術によって克服しているのであるが、自然素材を使い、知恵を絞っての架橋に、自然に対する畏敬の念が感じられるからである。
 この美しさのお陰で、多くの人が何世代にもわたって生計を立てることができており、ものすごい扶養力だと感心している。

 しかし、近年、錦帯橋の周辺を見ていくと、錦帯橋の美しさが損なわれる事態が進行している。
 それを自覚して、錦帯橋と周辺の美しさを保全していく必要があると考える。

 その一つが、上流の錦城橋である。
 この橋は、近代的技術によって造られているわけだが、錦帯橋と比較すると、効率性を追求するあまり自然の克服度が強すぎて、橋そのものの美しさに欠け、かつ錦帯橋に近すぎるため、その周辺の美しさを減退させているといわねばならない。
 この橋も老朽化していずれ架け替える必要があるだろう。
 その際に、自動車を通行させる橋であることには変わりないが、少し上流に移すとともに、錦帯橋の存在に配慮したデザインにすることを期待したい。

 もう一つが、錦帯橋下流の河川敷の駐車場である。
 これは、人間の都合のために自然の河川敷を強引に平らにしているのであり、自然を克服して当然という人間の欲が透けて見える。
 それが、錦帯橋の上から眺める景色の美しさをさらに削減させている。
 私は、駐車場をすべて無くせとは言わない。
 人間が自然を利用して生きていくことは仕方がない。
 しかし、やはり節度というものがあるのではないかと思う。
 これ見よがしにすべてを駐車場にするのではなく、それを三分の一程度に抑え、残りを自然な河川敷に戻しておけば、節度を持った自然との付き合いということが感じられ、錦帯橋がより一層美しく見えるのではないかと思う。

 自然との共生とは、本来、どういうことなのであろうか?
 われわれ人間は自然を利用しなければ生きていけない。
 しかし、それを収奪するようなやり方では、いずれ結局人間も滅びることになる。
 自然と人間の共生とは、われわれが自然を利用するのであるが、人間側が謙虚になって、自然にお願いして利用させていただくという気持ちで、知恵を絞り、可能な限り自然を尊重・保全することではないかと考えている。

 21世紀は、地球温暖化を反省して、自然と共生していく以外に人類の未来はないと考える。
 世界遺産のコンセプトも、人類が歴史的に自然とどう共生してきたかという点に真髄があるのではないかと考える。
 錦帯橋はその意味で橋だけで世界遺産にふさわしいと考えるが、錦川両岸の町並みを含めた周辺整備を今後どのように進めていくかに、本当の意味での世界遺産の価値が問われているのではないかと考えている。
 

今日から錦帯橋下河原の
敷石の修復工事を現地ではじめております。
期間中、一部立ち入りを制限するなど
お越しの皆様には御迷惑をおかけしますが
御理解と御協力をお願いします。

工期は3月30日となっておりますが、
終わり次第、御報告いたします。

敷石修復箇所の状況↓

 

なお工事の状況は、ライブカメラで御覧になれます。

錦帯橋ライブカメラ↓
http://kintaikyo.iwakuni-city.net/liveview.html

錦川のあり方を考える
?錦帯橋の世界遺産化に向けた自然との共生のために?

来る2012年1月27日(金)午後5時から
岩国市民会館小ホールにおいて
世界遺産講演会を開催いたします。
入場は無料です。

講演会のチラシはこちら↓

新潟大学名誉教授の大熊 孝先生は
1997年から錦帯橋修復検討委員会の専門部会長として
「平成の架け替え」の方針決定に携わっていただきました。
以後、将来の課題に向けた検討を行った
「錦帯橋みらい構想検討委員会」会長、
国の世界遺産暫定一覧表掲載に向けた再提案書の作成に向けた
「岩国城下町エリアの文化的景観等検討委員会」会長
世界文化遺産登録を目指した
「錦帯橋世界文化遺産専門委員会」会長
と、実に15年にわたって錦帯橋に御尽力いただいています。

また、新潟水辺の会の会長として
「記憶される美しい水辺の創造」をテーマに活動されております。

新潟水辺の会のホームページ↓
http://niigata-mizubenokai.org/

今回もきっと楽しい講演となると思います。
事前の申込は必要ありませんので
ふるって御参加ください。

「錦帯橋歴史物語」は、
市内の小中学生が錦帯橋を通して、
郷土学習ができる教材用に作ったビデオです。

「奇跡の橋 七つの不思議を解く」と銘打って、
錦帯橋にまつわる「何故?どうして?」を
易しく解説しています。

1岩国藩の歴史って?
2錦帯橋実現までの試行錯誤は?
3どんないきさつで流れない橋が実現したの?
4錦帯橋の名前の由来は?
5江戸時代錦帯橋は誰でも渡ることができた?
6俗に言われる橋の部材を一つ抜くと橋が落ちるってほんと?
7橋づくりの技術はどうやって伝えたの?

ビデオはこちら↓
http://gallery.inet.city.iwakuni.yamaguchi.jp/vod/vod_play.php?CNTID=4984

なお、これを御覧になったうえで
「もっと知りたい」「物足りない」と思われた方には、
こちら↓をおすすめします。
http://iwakuni-city.net/kankou/dvd.html
 

当初、「とっておきの写真」として
小出しにしようと考えていたのですが、
ここで、一挙にご紹介いたします。

決して面倒臭くなったわけでなく、
早く御披露すべきだと考えたわけです。

 


フォトギャラリーに
「むかし」というカテゴリを設けました。

http://kintaikyo.iwakuni-city.net/photo/index.php?cat=10

今回は「その1」ということで、
14枚上げましたが、
トータルで170枚くらいになります。

不意に上げることがありますので、
ときどき見に来てください。

それから、引き続き無償提供いただける写真を
(厚かましい話で、本当に恐縮です。)
引き続き、募集しております。
四季の写真に限らず、昔の錦帯橋の写真も
ございましたら、どしどしお寄せください。

実験の様子と依田先生による説明の動画です。
http://gallery.inet.city.iwakuni.yamaguchi.jp/vod/vod_play.php?CNTID=4907

実際には、土のうを置いて測定値がほぼ安定してから(5分?7分)
計測、次の作業に移っています。
また、土のうを取り除く際も折り返し計測しています。
ということで、トータルでおよそ1時間かかっています。

なお、動画は3分45秒くらいから、依田先生の説明です。

実施された実験について、
早稲田大学から御提供いただいた資料と
現地写真を交えて説明します。

錦帯橋が、幾何学的にアーチ形状をしているだけでなく、
構造力学の観点からも「アーチ橋」であることを
1/5の模型(長さ7m、幅1m)を使って
実証することを目的としています。

測定方法
? たわみ測定
 ダイヤルゲージをスパン中央と1/4点に配置し、
 鉛直方向のたわみを計測する。
 荷重には、土のう(10?×20個)を用いる。

? ひずみ測定
 アーチリブの1?11番桁にひずみゲージを貼り付け、
 部材軸方向のひずみを測定する。
 荷重には、たわみ測定同様、土のう(10?×20個)を用いる。

? 振動測定(予備測定)
 加速度計を用いて、振動計測も実施する。

着目点
 実験で得られたひずみ実測値とコンピュータによるひずみの計算値
とを比べ、同じ傾向にあるかどうか、また、鉛直方向の
分布荷重で片側の11本の部材のひずみ測定値に注目した場合、
圧縮ひずみが卓越しているかどうか、などを検討する。

動画編に続きます。

8月4日は、「橋(は・し)の日」だそうです。

そんな、錦帯橋にとっても熱い日に、
早稲田大学依田研究室の皆さんが、
錦帯橋5分の1模型で、実験を行いました。


 

依田先生曰く、

私が錦帯橋に興味を持った一番の理由は、
「錦帯橋は進化している」ということです。
同じ橋を二度も架けることですら、一般的にはありません。
ところが、錦帯橋は何度も架け替えられている。
しかもその度に、改良が加えられている。
我々は、それを「進化」と呼びます。
創建当初の遺伝子を継承しつつ、
進化を重ねて平成まで繋がってきた。
その進化の経緯が構造にも現れているのです。
その点が我々にとっても勉強になる。
同じ橋を何度も造るという橋は、
世界広しといえども錦帯橋が唯一ではないでしょうか。

次回に続きます。

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