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今回の錦帯橋を訪れた有名人は野口雨情を紹介します。
野口雨情(1882-1945)は大正期の詩人で、民謡・童謡作家として有名です。
代表作は「七つの子」、「赤い靴」、「シャボン玉」などがあります。
上の写真の左から2番目が野口雨情で、初代岩国市長永田新之允達と一緒に写っています。
 

これは写真の裏書です。
昭和十年五月十七日撮影
野口雨情先生岩国小唄
来詠記念
向テ右ヨリ
岩国町長
 永田新之允
岩国町会議員
 中塚 豊
 野口雨情氏
 森川憲之助氏

錦帯橋の橋杭が外れたのは、何も平成17(2005)年が
初めてのことではないことを証明している写真があります。
この写真には、明治35(1902)年8月10日と裏面に説明があります。

当時の錦帯橋は、国道として使用されていました。
それにしても、これだけ水位があるのに、橋の上には何人か立っています。
228年(1902?1674)もの長きにわたり
「流されていない」実績が燦然と輝いている時代です。

現在では、これだけ増水すると入橋を止める場合があります。
万が一のときには、管理者の責任が問われる時代なのです。

平成17(2005)年 台風14号?

橋杭2基を流失という被害を受けたものの、
考え方を変えれば橋本体が無事だったわけで、
致命的な被害は免れたといえます。
実は、桁梁のホゾ穴に差し込む橋杭の凸部分は、
先細りに加工されていました。

 

代々の橋がこのように加工されていたのですが、
平成の架橋工事の時点では理由がはっきりと分かりませんでした。
洪水のような大きな力がかかったときに、
外れやすくするための知恵だったということが、
この経験をもって理解できたのです。

もしも、頑丈につなぎ止められていたら、
橋本体に大きなダメージが残るような惨事になっていたかもしれません。
本体を護るために敢えて外れやすく取り付けてある橋杭は、
電気回路におけるヒューズと似た役割を持っているわけですね。

そうはいっても、人が押したり引っ張ったりするくらいでは
外れません(もちろん試してはいけません)。

この復旧工事の詳細については、また別の機会にお送りします。

平成17(2005)年 台風14号?

流失した翌日から、橋杭などの部材の捜索を行い、
発見した部材は全て回収しました。

回収先を一部紹介します。
錦川下流の自動車学校付近(直線距離で約1.3km)
米軍基地沿岸部(直線距離で約6.3km)

最も遠いもので祝島(直線距離で約46.2km)


 

などです。
こうして回収した部材のうち損傷の少ないものは、
あらためて錦帯橋部材として使用しています。

破損が著しいなど、
錦帯橋の部材として活用できなかったものの中には、
5分の1模型に再加工されて次の人生(?)を
送っているものもいます。


 

もう少し続きます。

錦帯橋は江戸時代から名所として知られており、多くの有名人が訪れています。
ここでは、錦帯橋に訪れた有名人を資料から紹介します。
第1回目はドラマでも有名な天璋院(篤姫)です。
天璋院(1836-1883)は、薩摩藩島津家一門の家に生まれ、江戸幕府第13代将軍徳川家定に嫁いだ人物です。
上の資料『岩邑年代記』(岩国徴古館蔵)から、錦帯橋を見物したことが分かります。
また、『御用所日記』(岩国徴古館蔵)という資料には、もう少し詳しいやりとりが記録されています。

 

写真資料

『岩邑年代記』嘉永6年9月11日
一 同十一日、薩州姫君様、昨夜高森泊にて、今日大橋御廻り。児玉屋え御小休。今晩久波御泊の由。横山乗越え鉄炮頭中村靜衛、錦見乗越え町奉行今田七右衛門手子藤村十兵衛、御案内御使者有之候に付、御客屋え御使内坂左門。
 但、御同勢沢山。此度、公儀えお輿入と申評判。
 

平成17(2005)年 台風14号?

猛烈な雨をもたらしたこの台風により錦川はみるみる増水し
9月6日23時30分ころ第1橋の岩国側から4番目の橋杭組が、
更に7日 0時45分ころ同じく岩国側から5番目の橋杭組が、
流失してしまいました。


 

これだけにとどまらず、第5橋側の橋杭が折損するなど
近年にない大きなダメージを受けました。

もちろん現在はすっかり復旧も済んでおり、問題なく渡れます。
続きは次号です。

普段は穏やかな清流錦川でも、
大雨の時には全く別の表情を見せます。

今日(9月1日)の写真


?

7月14日の写真

9月1日が防災の日というわけで
これから何回か、大水に立ち向かう
錦帯橋を御紹介します。

絵・写真のページ制作にさきがけて、
不定期的に錦帯橋にまつわるいろいろな写真を
御紹介していきます。

記念すべき1回目の写真はこちら

手元にある錦帯橋の写真の中でも
かなり古いと思われる明治10年代
(1870年代?)のものです。
モノクロ写真に色を付けているようです。

錦帯橋の唯一性を問う!

?世界にアーチ構造の木造橋はあるのか??

をテーマに第2回国際シンポジウムを下記により開催いたします。
第1回は、非常に中身の濃いものとなりましたが、
今回もお越しいただいた方に満足いただける
充実した内容でお届けしたいと考えております。

なお、申し込み方法など詳細につきましては、次回お知らせします。

日時 平成22年11月14日 13時から
場所 ホテルかんこう(岩国国際観光ホテル)
   岩国市岩国一丁目1?7
 

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